物理するリボン

至近距離で見つめて

スタマスよりもモデルの繊細さや小物の物理演算が細かい気がしますね。（※感じ方には個人差があります。）

「気がする」などという定量的でない表現にモヤつく理系なので、まさに至近距離で比較検証します。

ちなみに映像系に関してはド素人なのであしからず。

---

検証対象はEXPO LIVE SHOWCASE（EXPOライブ）とスターリットシーズン（スタマス）の同一のシーンの連続したスクリーンショットそれぞれ210枚です。 この210枚とは、KAWAII ウォーズの「至近距離で見つめて」というフレーズ約3秒間、EXPOライブは久川凪、スタマスは水瀬伊織に歌ってもらったものです。

スタマスでKAWAII ウォーズを歌唱するキャラクターは12名いるのですが、頭の飾りがリボン以外に存在しない、できる限り比較対象の久川凪の頭身に近しい条件から選定しています。 菜々パイセンも身長の条件には近いのですが、うさみみというリボン以外の要素が動きに影響する可能性があるので選定から外しました。伊織はスウィートドールズの衣装ではカチューシャを外すので条件に合致します。 （よく考えるとリボン＋うさみみってすごいな。）

---

検証について

とはいえ、結論から言うと3つの意味でこの検証に何ら意味はありません。

第一に、検証するまでもなく明らかに3Dモデルの細部や動きが異なっています。
手のフリルカフスの繊細さ、リボンの（映像系における）X軸の角度、リボンの端処理された飾りの動きなどです。

---

第二に、様々な観点からデータが不足しています。
今回はAとBのシミレーション結果について一致性を証明するのが目的です。 検証にあたって、物体の衝突や変形がシミュレーションされているように見えることからSoftbody Simulationと仮定します。 つまり、物体は等積変形で弾性運動するので、そのふるまいに一定の周期性が見られるはずで、理論上は統計的に解析できるはずです。

ですが、同様のシーンではあるが同一のシーンではないので限界があります。 キャラクターや舞台、カメラワークの違いを埋めることはできませんし、単一方向の映像のみではXY軸方向の回転運動を比較できません。

そもそも統計分析するためにはサンプルが少なすぎます。 今回210枚抽出しましたが物体の運動周期でいうと一桁周期くらい分しかなさそうです。

---

そして、第三にして最大の理由ですが、今回のライブはデジタルギア株式会社が担当していると公言されていました。

つまり、スタマスとは違うってことやん……。QED。 素晴らしいライブにしてくれてありがとう。

---

検証結果

気を取り直して、やっつけ2時間くらいで書いたコード貼っておきます。

簡単に解説しますと、検証は次のステップで実行されます。

• 画像内の特徴点をORBにて抽出: features.detect_features
• Brute-Force Matcherにて特徴点マッチングをかけHamming距離でソート: features.match_features
• マッチした特徴点の平均移動量を算出: motion.calculate_motion

analysis.analyze_motionやvisualization.plot_motionは解析対象の管理やグラフ描画しているだけです。

---

出力は次のとおりです。 Y軸が大きければ大きいほどフレーム間の物体の動きに大きな差があったことを示します。

うん？EXPOライブのほうが動きが少ない時間が目立ってしまっているのですが……。
いや実際、凪の静的なポージングが反映されているのかもしれません。（それはすごい）
アクセサリーや飾りの動きは全体の動きからは小さな差異なので潰れてしまっている可能性もあります。

---

というわけで、なんとも煮えきらない結果になりました。

本当はリボンのエッジ抽出をすべきなのですが、ライブを通しで2回くらい見て時間がなくなったので途中で先のポストを見つけたので概算レベルです。 比較対象を正しく抽出し、カメラの位置をできるかぎり揃え、豊富なデータを与えることで同様の疑問に答えることができるかもしれません。

---

終わりに

アーカイブの視聴期限は2025年1月14日中となっていますので、見直しされたい方はお忘れなく。

xRライブ自体めずらしく、同時視聴会ではワイワイ見るのが楽しめました。 1月も予定されているようです。

---

脈絡もなく唐突にスタマスでスクショした杏の膝を貼って結びとします。
KAWAII!!